準備運動として、また、朝のエネルギーチャージとして起用されるハタヨガの太陽礼拝。また、年末のスタジオのイベントで、108回チャレンジとしても有名ですね。
呼吸に合わせてポーズをとりながら、体を大きく動かします。肩の関節や股関節を動かし、体幹をしっかりさせる。そして、体を上下に動かすことで上半身の筋肉、お尻や両脚の後側の筋肉を伸ばします。
このエネルギーが満ちたシークエンスをおうちで練習できるように、ポーズごとに詳しくポイントをまとめました。何気なくやっていたけど、これでいいのかな?と思っている人はこの記事を読んで、マスターしよう。
頭と体をスッキリしたいとき、ヨガをもっと向上させたいとき、ハタヨガの太陽礼拝をしてくださいね。
太陽礼拝でする動きを順番ごとに説明しています。頭の中でイメージしながらおこないましょう。
また、下腹部を軽く力を入れてすると、体のふらつきがなく安定します。ただし、力を入れ過ぎてしまうと体が緊張するので気をつけて。筋肉の動きを妨げるので「軽く」が基本です。
さらに、筋力がない人が腹式呼吸(おなかを動かす呼吸)ですると、体が安定しません。まずは、体が安定して自分のしやすい呼吸を優先してください。呼吸を意識しながらするときは、胸式呼吸法(肺を横に広げてしぼませる呼吸)がおすすめです。
なお、解説するポーズは、大手のヨガスタジオなどで教わるものを基準にしています。一部内容が違うと感じるかもしれません。その点についてはご了承ください。
山のポーズ(ターダーサナ)
山のポーズはヨガの基本姿勢です。ヨガマットの短いほうの端に立ちます。
足の親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点に力を入れ、足元をどっしりさせましょう。
足幅は両足を閉じても、骨盤と同じ幅に広げてもOK。両手は合掌しなくても大丈夫。
肩に力が入りやすい人は、肩をゆるめるようにします。
猫背や反り腰になりやすい人は。気をつけたいポイントを別の記事にまとめています。
そちらを参考にしてくださいね。
両手を上に伸ばすポーズ (ウールドヴァ ハスターサナ)
息を吸いながら、ポーズをとります。
両手を上げるとき、姿勢を保つようにしましょう。
斜め上または正面を見ながら、このポーズで上半身の伸びを感じてくださいね。
強い前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
息を吐きながら、ポーズをとります。
このポーズは、お尻や太ももを伸ばして、お尻や太ももの裏側の筋肉の強張りをほどきます。
両手が床につかないときは、ひざを曲げて、無理をせずに行いましょう。
また、ひざを思いっきり伸ばしてしまいがちです。ひざを1,2ミリゆるめる気持ちで伸ばします。
前屈のポイントについては、別の記事で詳しく解説しています。そちらを参考にしてくださいね。
苦手が得意に。深まりを感じる前屈のコツと練習のしかた
半分の前屈のポーズ(アルダ ウッターナーサナ)
息を吸いながら、ポーズをとります。
ひざを曲げて前屈をしている人はひざを伸ばします。(伸ばしすぎに注意)
おしりが後ろに突き出さないように、少し前のめりになってポーズをとりましょう。
反り腰な人は背中を反らしやすいので注意します。
下腹部や体幹に軽く力を入れ、腹圧で腰の緊張を和らげます。
背骨の間にある筋肉を伸ばすように、前に伸びるイメージでしてくださいね。
ふくらはぎとすね、足の裏で床を押して体を安定させます。
強い前屈のポーズ・2回目
息を吐きながら、再度前屈をします。
ひざの角度を調節して、心地よいところでお尻と太ももの裏側を伸ばしましょう。
(注)省略するシークエンスもあります。
板のポーズ、プランクポーズ(ファラカ アーサナ)
息を吸いながら、ポーズをとります。
お尻を動かし、尾骨(お尻の割れ目辺り)を両足と同じ方向にします。
頭から足先まで一直線になるように意識しましょう。(お尻を上に突き出さないように注意!)
板のポーズ(プランク)は、腕や体幹を強化します。
腹筋と太ももの力だけで頑張らずに、両手、かかとも使います。
体の数カ所に力を入れることで、体の負荷が分散されることを実感してくださいね。
四肢で支える杖のポーズ(チャトランガ ダンダーサナ)
息を吐きながら、ポーズをとります。
数秒キープしてから、上体を床についてうつぶせになります。
手は胸の位置におきましょう。
四肢で支えるポーズも体幹と腕を強化します。
体幹、太もも、両手、両かかとを強くすることで、体の負荷の分散が体感できます。
お尻が突き出さないように気をつけてくださいね。
自信がない人は、代わりに8点のポーズを行います。
(ポーズの解説は、初心者向けのシークエンスでご確認ください)
コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)
息を吸いながら、ポーズをとります。
上体をおこすときは、下腹部と腹筋を強くします。腹圧で腰の負担を減らしましょう。
コブラのポーズは、後屈(上体を反らす)ポーズの一つです。
後屈は背中や腰を意識的に反らしません。胸を開いて上体を反らす意識を持ちましょう。
後屈については、こちらで詳しく解説しています。腰が痛くなる人は読んで参考にしてくださいね。
正しい後屈のしかたを知って腰痛とサヨナラしよう!
下向きの犬のポーズ、ダウンドック(アド ムカ シュヴァーナーサナ)
息を吐きながら、ポーズをとります。
手のひら全体、かかと、太もも、下腹部で上体を支えましょう。
わきは広げ、首をつぼめないように肩と首の間にすき間をあけるように気をつけます。
下向きの犬のポーズ(ダウンドック)は、逆転のポーズです。
体の背面や体側を伸ばしてほぐし、肩、足首、手首を強くしなかやかにします。
腹筋を使って体にかかる負荷を分散させましょう。
初めのうちはつらく感じると思いますが、慣れると楽にポーズがとれます。
また、下向きの犬のポーズの注意点をまとめた記事があります。こちらを参考にしてくださいね。
ダウンドックがつらい!4つの理由
半分の前屈のポーズ・2回目
息を吸いながら、目線を両手の間に向けます。
両足を両手の方向に歩かせ、吐く息で一度強い前屈のポーズをします。
(ひざを曲げてもOK)
息を吸いながら、半分の前屈のポーズをします。
強い前屈のポーズ・3回目
息を吐きながら上体をたおし、再度、深い前屈をします。
(ひざを曲げた前屈でもOK!)
(注)省略されることもある。
両手を上に伸ばすポーズ・2回目
息を吸いながら、上体と両手を持ち上げ、再度ポーズをとります。
腹筋を使って上体を起こし、両手は大きな円を描くように横から上げましょう。
背中と両手が上に伸びるようなイメージでおこないます。
猫背、反り腰に気をつけます。
山のポーズ・2回目
息を吐きながら、ゆっくり両手を下げ合掌します。
ポーズをとりながら、呼吸を整えます。
繰り返すときは、ここから両手を上にあげるポーズに入ります。
初心者向けに構成された簡易ポーズでするシークエンスは、体力や筋力がない人や、前屈が苦手な人、体幹の筋力がない人向けです。以下の4ポーズを変えて難易度を下げておこないます
- 強い前屈のポーズ → ひざを曲げて前屈
- 四肢で支える杖のポーズ → 8点のポーズ(アシュタンガ ダンダーサナ)
- コブラのポーズ → ベイビーコブラのポーズ
- 下向きの犬のポーズ → 子犬のポーズ(または、ひざを曲げたダウンドック)
以下のとおりに、ポーズをとっていきます。
山のポーズ → 両手を上に伸ばすポーズ
基本のシークエンスと同じように、山のポーズで基本姿勢になり、呼吸を整えます。
息を吸いながら、両手を上げてポーズをとります。
ひざを曲げた前屈のポーズ
息を吐きながら、ポーズをとります。
ひざを曲げて前屈をして、お尻と太ももを伸ばすことを優先してください。
ポーズをとるときは、おなかと太ももの前側がくっついた状態でおこないます。
半分前屈のポーズ → ひざを曲げた前屈のポーズ・2回目 → 板のポーズ
基本のシークエンスと同様に、息を吸いながら半分の前屈のポーズをします。
続いて、息を吐きながらひざを曲げた前屈のポーズ、
息を吸いながら、板のポーズ(プランクポーズ)をします。
半分の前屈のポーズでしっかりと足の背面を伸ばしましょう。
8点のポーズ(アシュタンガ ダンダーサナ)
息を吐きながら、ポーズを取ります。
8点のポーズはあご、手、胸、ひざ、足で体を支えます。
板のポーズからお尻を持ち上げたま状態でしましょう。
あごをつけるときに、肩も一緒に下がらないように注意しましょう。
ベイビーコブラ(アルダ ブジャンガーサナ)
息を吸いながら、ポーズを取ります。
ベイビーコブラは、上体を反らすよりも背筋を鍛える要素が高いポーズです。
両手を床から離しても、上体が倒れないところでキープします。
体幹にも力を入れて、腹圧で腰を守ります。
子犬のポーズ、パピーポーズ(ウッターナ シショターナ)
息を吐きながら、ポーズをとります。
子犬のポーズは、背中や体側を伸ばすことを重点においています。
下向きの犬のポーズ(ダウンドック)で台形になったり、背中が反れてしまう人は、
このポーズで手先から腰まで一直線に伸ばす練習をしてくださいね。
お尻がひざより後ろへ引いてしまうときは、両手をさらに前に出しましょう。
ひざを曲げた前屈のポーズ・3回目 → 半分の前屈のポーズ・2回目 →
ひざを曲げた前屈のポーズ・4回目 → 両手を上に伸ばすポーズ・2回目 → 山のポーズ
息を吸いながら、ひざ立ちになり上体を起こします。
息を吐きながら、立ち上がり、ひざを曲げて前屈をします。
息を吸いながら、上体を起こして半分の前屈のポーズをしましょう。
基本のポーズと同じように、再度前屈をして、上体を持ち上げて両手を伸ばすポーズをします。
最後に山のポーズにもどります。
太陽礼拝を練習するときは、以下のことを意識すると上達します。おうちで練習するときは、以下のことを心掛けてくださいね。
呼吸のタイミングや順番を覚える
ゆっくり1ポーズごと時間をかけて、体の動かしかたや位置を覚えます。慣れてきたら、徐々に呼吸にあわせるように体を動かしましょう。ポーズを覚えたら、「1呼吸、1動作」を意識して練習します。
はじめのうちは、呼吸と動作が連動しません。気にせず続けることを忘れずに。練習を重ねていくうちに、自然と呼吸にあわせて体が動きます。
ゆっくり長めにする
吸気と呼気の時間を長くとること。1拍1呼吸ではなく、1呼吸を2~4拍のテンポで行います。ゆったりした呼吸とともに太陽礼拝をします。自然とポーズがとれるようになったら、呼吸と動作のテンポを速めます。
一連の動きを区切って練習する
太陽礼拝が覚えきれないときは、一連の流れを区切って練習します。
まずは、山のポーズ→両手を上に伸ばすポーズ→強い前屈のポーズ→半分の前屈 まで行い、この4ポーズを繰り返すだけでもかまいません。そこから少しずつポーズを増やして練習すると、ポーズの順番が覚えやすくなります。
普段している太陽礼拝でも、ポーズを極めるとこれだけ気をつけることがあります。奥が深いことを理解していただけたら嬉しいです。
基本の動きができるようになったら、体の中にエネルギーが満ちてくる感覚がうまれます。他の太陽礼拝のシークエンスにもチャレンジして、ヨガの練習を深めてくださいね。