ポーズを取っているとき、吸う?吐く?と迷った経験があると思います。そのせいで集中できなかったり。また、タイミングが合わず息苦しく感じたことはないですか。
ヨガは呼吸法があるほど、心と体をコントロールするものと捉えています。ここでは、レッスンや動画での練習中に、息が途切れたときの対処方法をお伝えします。
それに併せて、浅い呼吸しかできない人に向けた、息がしやすくする準備運動もご紹介!これで、多少息が合わなくても慌てずに済みます。呼吸をとめないように気をつけてくださいね。
ヨガを始めたばかりの人は、誰でも疑問に思っていると思います。それは、運動によって体のエネルギーが消費され、酸素を必要としているから。激しい運動をしているとき、息が上がってくると思います。これは、呼吸をしてたくさん酸素を取りこむよう、脳から指令を出しているからです。
そして、肺で取りこんだ酸素を必要なところに届けるため、血液で酸素をすばやく循環させます。そのため、血管が拡張し血液循環が良くなります。その結果、血圧が上昇する。この生理現象を、交感神経の活発による心拍出量の増加(心臓が送りだす血液の量が増えること)といいます。
ヨガは比較的に静かな運動なので、それほど感じないこともあります。ただし、レッスンによっては、上体を支えるために足腰に力が入ったり、ある部位を強く伸ばして、体内のエネルギーを使うことはあります。それらのポーズが増えると、たくさんの酸素が必要になってきます。
酸素が少ないと、途中で息苦しくなるのはもちろんのこと。また、ヨガをしたあとで頭が痛くなったり、血圧が上がってフラフラするのは、体内の酸素が足りていないサイン。それを防ぐため、あえてインストラクターが指示をだし、意識的にするように促しています。
もちろん、それ以外の理由でもヨガは呼吸を重視しています。呼吸法があるのは体と心にいい影響があるから。詳しく知りたい人はこちらをご覧くださいね。
ポーズをキープしているときに自然ととまってしまう。動画やインストラクターさんの指示とずれる。そして、意識しすぎて逆に乱れてしまう。そんなとき、次のようなことをすると途切れずに済みます。慣れてくると自然と息が続くようになります。
体の動きで判断する
実は、体の動かしかたで吸う、吐くがだいたい分かれています。もし乱れてしまったとき、体の動きに合わせて呼吸をリセットしましょう。また、タイミングが合うとパフォーマンスの向上につながります。
吸うときの体の動き
吐くときの体の動き
ただし、フローヨガなど呼吸をベースに体を動かすレッスンは、吐くべきタイミングのときに「吸いましょう」と言われることがあります。そのときは、指示に従って続けてくださいね。
とりあえず吐くことを意識
呼吸がうまくできない人は、まず吐くことを意識する。すぐ気づくと思いますが、息を吐くと自然と息を吸っていませんか。それと反対に、吸うことだけを意識すると、息をとめてしまい、吐くことを忘れていると思います。レッスン中に戸惑ったら、まず吐いてみましょう。
また、ポーズの維持しているときや体を反らしているときは、息を堪えている人が多いです。そして、ポーズがつらく感じているときも同様です。まずは息を吐くこと。それから呼吸を再開するようにしてくださいね。
呼吸法にこだわりすぎないこと
もう一つは、呼吸法を気にしすぎて、呼吸をしづらくさせていること。もともと呼吸が浅かった人が、呼吸法ですぐに深くなることはありません。いつもより長めに呼吸をする、鼻から呼吸をするところから始めてください。ポーズをとりながらうまくできないときは普段の呼吸でかまいません。
また、鼻呼吸がつらい人は鼻から吸って、口から吐きましょう。慣れない時はヨガの呼吸をしなくても大丈夫。まずは、途切れないことを優先させてください。息をとめると血圧が上昇し、脳や体に負担をかけるので気を付けてくださいね。
ただし、口呼吸は外気の菌やウイルス、温度や湿度などをそのまま体内にとり入れてしまいます。口を小さく開ける。普段から鼻で吸う練習をする。など、ご自身の体をいたわってくださいね。
鼻に疾患がある人はこの限りではありません。(医療機関にご相談ください。)
息が浅い人は、肩と鎖骨だけを動かして呼吸をするくせがついています。本来は、横隔膜を動かしながら、肺にたくさん空気を吸い込み、吐き出しています。横隔膜をあまり動かさずに呼吸をしていると、呼吸筋とよばれる筋肉群(ろっ骨や横隔膜周辺の筋肉)が強張り、動きが低下しているかもしれません。
ヨガの練習をする前に、呼吸筋をほぐす準備運動をして、横隔膜を動かしやすくしましょう。
- キャットアンドカウ
息を吸いながら背中を反らして、息を吐きながら背中を丸める - あぐらで体側を伸ばすポーズ
吸いながら右手を上げて、吐きながら真横に倒す
ポーズをキープしているときは、伸ばしている体側のろっ骨のすき間に空気を入れるで内側から伸ばす - 半分の魚王のポーズ(アルダ マッチェンドラ アーサナ)
左右にねじって、体側の筋肉を縮めたり伸ばしたりする
また、どのポーズも椅子に座っておこなえる簡単な運動です。
デスクワークの合間にして、気分をリフレッシュしてくださいね。
ヨガのポーズは、力を緩めるところと力をいれるべきところがあります。呼吸はそれをする合図だと捉えると、もっとしやすくなります。ポーズの完成形をめざすより、息の状態を確かめながら、ポーズをとるほうがいいとされています。
息が途切れなくなると、ご自分のポーズにも変化がでてきますよ。それだけ呼吸と体はつながっています。