シンプルでわかりやすい動きが特徴のシヴァナンダヨガの太陽礼拝。初心者にも取り組みやすいシークエンスです。日頃の練習に取り入れることで、背中の柔軟性が高まり、そのあとポーズも取りやすくなります。
呼吸に合わせてポーズをとるので、一連の動きがわからないとモタモタしがちに。そんなシヴァナンダヨガの太陽礼拝をイラストで詳しく解説しました。より効果的にするためのヒントを見つけてくださいね。
体が慣れてきたら、目を閉じて自分のヨガに集中してより深めましょう。おうちでするときは、周りに障害物がないところでおこなってくださいね。
7つのポーズと12の動きで構成されているシヴァナンダヨガの太陽礼拝。自分の斜め上に太陽があることをイメージしながらおこないます。
山のポーズと下向きの犬のポーズで呼吸を整えながら長めにキープします。基本は1呼吸1動作。初めのうちは呼吸と体の動きが合わないかもしれません。呼吸がずれていても気にせず、続けていきましょう。まずは、ポーズの流れを覚えていくことが重要です。
シヴァナンダヨガの太陽礼拝
山のポーズ(ターダーサナ)
ヨガマットの短いほう端で足をそろえて立ちます。
アゴは軽く引いて、目線は正面を向きましょう。
足を開くときは、人差し指は正面に、両かかとの間は指2本分あけます。
2呼吸でポーズをとりながら息を整え、合掌をしてから、次の吸う息から次のポーズに移ります。
両手を上に伸ばすポーズ(ウールドヴァ ハスターサナ)
息を吸いながらポーズをとります。
両手を前から回し、上体を後ろに伸展させます。
天を仰ぐように目線は上へ。腰の反り過ぎに注意しながら体を反らします。
強い前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
息を吐きながらポーズをとります。
両手を前から大きな半円を描くように下ろします。
床に手がつかないときは、ひざを曲げてしてくださいね。
ローランジ(アシュワ サンチャラナーサナ)※右足が後ろ
息を吸いながらポーズをとります。
右足は後ろに引き、右ひざは床につきます。顔はすこし上げ、目線を斜め上へ。
背中を丸まらないように軽くそらします。
手はカップハンズか手先だけ床につけるとしやすくなりますよ。
首がつまらないように肩はリラックス。胸を斜め上に引き上げましょう。
板のポーズ(ファラカアーサナ・プランクポーズ)
息を止めながらポーズをします。(止めないときは軽く息を吐いて、吸う)
両足はそろえて、足指を立てて、かかとを後ろに押し出します。
頭から足まで一直線になるように、体幹を強くしましょう。
お尻のでっぱりに気をつけます。目は50cm先を見ましょう。
8点のポーズ(アシュタンガ ダンダーサナ)
息を吐きながらポーズをとります。
ひざを下ろし、わきを締めながら胸とアゴを床につきましょう。
お尻はつきだしたままでおこないます。
コブラのポーズ(ブジャンガーサナ)
息を吸いながらポーズをとります。
上体を前に滑らせて、おなかが床についたら上体を持ち上げます。
そして上体を反らせます。
足はそろえたまま足の甲を床に。足の甲で床を押します。
耳と肩を遠ざけるように首を長く保ちます。目線は正面におきましょう。
下向きの犬のポーズ(アド ムカ シュヴァーナーサナ・ダウンドック)
息を吐きながらポーズをとります。
足先を反してつま先立ちになってから、体幹を使ってお尻を斜め上に持ち上げましょう。
両足はそろえてかかとは床につけます。
ふくらはぎに強張りを感じる人は、かかとを床に近づけるようにしましょう。
ローランジ(アシュワ サンチャラナーサナ)※2回目・左足が後ろ
息を吸いながらポーズをとります。
今度は右足を前に出し、両手の間におく。再度、ローランジをします。
背中の丸まり、首のつまりに気を付けてくださいね。目線は斜め上に合わせます。
強い前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
息を吐きながらポーズをとります。
左足を前に出して両足をそろえ、再度、深い前屈をします。
床に手がつかない人は、ひざを曲げてくださいね。
両手を上に伸ばすポーズ(ウールドヴァ ハスターサナ)
息を吸いながらポーズをとります。
大きな半円を描くように両手を前から出し、持ち上げます。
上体も同時に持ち上げましょう。顔と目線は上に向け、天を仰ぐように体を反らします。
山のポーズ(ターダーサナ)
息を吐きながらポーズをとります。
両手を前から下ろし、山のポーズにもどります。
合掌をしながら、1,2呼吸キープして呼吸を整えます。
(繰り返すときは、両手を上に伸ばすポーズへ移行)
両者はシークエンスは似ていますが、3つの要素の違いで戸惑う人がいらっしゃいます。以下のことを覚えておくと心構えが変わってくると思います。
体の動かすテンポ
シヴァナンダヨガは、流れるように体をうごかして進めるのが基本です。
初心者や初級者向けは2,3呼吸1動作でレッスンが進むこともしばしば。そのため、ハタヨガのペースになりがちですが、基本は1呼吸1動作。慣れてきたらここを意識してくださいね。
太陽礼拝の位置づけ
シヴァナンダヨガの場合、練習をさせるための準備運動要素が強いこと。呼吸をしやすくするために、胸を広げる縮める動作を繰り返し、呼吸筋のこわばりをほどきます。また、ランジを入れることで、足を前後に広げ股関節を広げます。
それに対して、ハタヨガは、体全体の使いかたも意識します。体幹を強くする要素、お尻や太ももの裏側を柔らかくすること、上体を反らす動き等々、細部にわたっての指導があります。
また、太陽礼拝を主体としたレッスンもあるほどバリエーションが豊富。基本のポーズの合間に他のポーズを組み込んだり、基本ポーズに変化をつけてみたり自由度が高いです。
ポーズの取りかた
戸惑いを無くす大きなポイントは、両手を上に伸ばすポーズのときに上体をそらすか反らさないかで判断するといいですよ。
ハタヨガの場合は山のポーズの姿勢をキープしたままでおこないます。
また、シヴァナンダヨガのダウンドックは、リラックスしたアプローチでおこないます。手の位置や足の幅に関しては個人の柔軟性や快適さに応じてポーズをとるよう言われます。かかと床につかなくてもよく、背中のアーチを強調することもあります。
それとは対照的にハタヨガの場合、体幹の強さや上半身の伸び、太ももやお尻の柔軟性を求めます。そのため、インストラクターさんによっては修正されることもしばしば。戸惑いを感じるかもしれません。でも、このレッスンはハタヨガベースだと割り切って、ハタヨガ式のダウンドックを経験してくださいね。
以上の違いから、太陽礼拝で有酸素運動を求める人にはシヴァナンダヨガを。ポーズを極めて、前屈を深めて体幹も鍛えたい人はハタヨガがおすすめです。また、ヨガの世界では違和感は自分の視野を広げることと捉えています。こんなヨガもあるんだと、新しいヨガの世界観を感じてくださいね。